防災管理者制度

更新日:2023年03月01日

防災管理者とは

防災管理者とは、大規模・高層の建築物等(防災管理対象物)において、地震その他の「火災以外の災害」による被害を軽減するため、防災管理に係る消防計画を作成し、防災管理上必要な業務(防災管理業務)を計画的に行う責任者をいいます。

消防法では、防災管理対象物の管理権原者は、有資格者の中から防災管理者を選任して、防災管理業務を行わせなければならないとされています。(消防法第36条)

防火管理と防災管理の消防法上の相違点は、「火災による被害の防止・軽減」と「地震等の火災以外の災害による被害の軽減」にあるといえます。

なお、防火対策と防災対策との一元化を図るため、防災管理対象物においては、「防火管理者が行うべき防火管理業務は、防災管理者が行うこと」とされています。

防災管理対象物【防災管理者の選任が必要な防火対象物】(消防法施行令第46条)

共同住宅、格納庫、倉庫等を除く、すべての用途の建築物等

  • 地階を除く階数が11階以上で延べ床面積が10,000平方メートル以上の建築物
  • 地階を除く階数が5階以上10階以下で延べ床面積が20,000平方メートル以上の建築物
  • 地階を除く階数が4階以下で延べ床面積が50,000平方メートル以上の建築物

地下街

  • 延べ床面積が1,000平方メートル以上

複合用途防火対象物(16項)

  • 対象用途に供する部分の全部または一部が11階以上の階にある防火対象物で延べ床面積が10,000平方メートル以上の防火対象物
  • 対象用途に供する部分の全部または一部が5階以上10階以下の階にある防火対象物で延べ床面積が20,000平方メートル以上の防火対象物
  • 対象用途に供する部分の全部または一部が4階以下の階にある防火対象物で延べ床面積が50,000平方メートル以上の防火対象物

火災以外の災害とは地震のほか、毒性物質の発散等を原因とする災害をいいます。

防災管理者の資格

防災管理者の資格(防災管理者に選任されるための要件)(消防法施行令第47条)

  1. 防災管理業務を適切に遂行することができる「管理的、監督的地位」にあること
  2. 防災管理上必要な「知識・技能」を有していること(防災管理講習修了者、学識経験者等)
  3. 甲種防火管理者としての資格を有していること(甲種防火管理講習修了者、学識経験者等)

学識経験者等とは

次の方は、上記2の防災管理上必要な「知識・技能」を有すると認められています。(防災管理講習の受講は不要です)

学識経験者等の資格証明等については、消防本部にお問い合わせください。

  1. 市町村の消防職員で、管理的または監督的な職(消防士長以上の階級)に1年以上あった者
  2. 労働安全衛生法第11条第1項に規定する安全管理者として選任された者
  3. 防災管理点検資格者講習の課程を修了し、免状の交付を受けている者
  4. 危険物保安監督者として選任された者で、甲種危険物取扱者免状の交付を受けている者
  5. 鉱山保安法第22条第3項の規定により保安管理者または保安統括者として選任された者
  6. 国もしくは都道府県の消防の事務に従事する職員で、1年以上管理的または監督的な職にあった者
  7. 警察官またはこれに準ずる警察職員で、3年以上管理的または監督的な職にあった者
  8. 建築主事または一級建築士の資格を有する者で、1年以上の防火管理の実務経験および1年以上の防災管理の実務経験を有する者
  9. 市町村の消防団員で、3年以上管理的または監督的な職(班長以上)にあった者

防災管理者講習の日程等のお問い合わせ先

(一社)日本防火・防災協会

電話番号03-3591-7121

ファクス03-3591-7130

自衛消防組織について

自衛消防組織とは、大規模高層ビル等の防災管理対象物(防災管理者の選任が必要な防火対象物)の従業員等からなる人的組織であって、一定の設備・資機材等を備え、火災等の発生時において、消防計画に定められた任務分担により、初期消火、消防機関への通報、在館者の避難誘導等、災害による被害の軽減を図るための組織です。

防災管理対象物の管理権原者は法令に定める基準に従って自衛消防組織を設置しなければなりません。(消防法第8条の2の5)

自衛消防組織の総括管理者および本部隊の各班の班長は、自衛消防業務新規(追加)講習修了者等の一定の資格が必要となります。(消防法施行令第4条の2の8)

自衛消防組織イメージ図

総括管理者および本部隊の班長に必要な資格

  1. 自衛消防業務新規講習の修了者
  2. 自衛消防業務追加講習(防災センター要員講習の修了者を対象)の修了者
  3. 消防職員で1年以上管理監督的な職(消防士長以上の階級)にあった者
  4. 消防団員で3年以上管理監督的な職(班長以上)にあった者

自衛消防業務新規(追加)講習

自衛消防組織の総括管理者と本部隊の各班長に必要な資格につきましては上記のとおりです。「自衛消防業務講習」につきましては、一般財団法人日本消防設備安全センターが主催で実施しております。

詳しくは一般財団法人 日本消防設備安全センターへお問い合わせください。

自衛消防業務講習のお問い合わせ先

一般財団法人 日本消防設備安全センター

電話番号 03-3501-7912

ファクス 03-3509-1194

防災管理者の選任・解任届出等について

防災管理者の選任が必要な防火対象物の管理権原者は、防災管理者を選任または解任したとき、遅滞なく所轄消防長または消防署長に届け出なければなりません。

届出に必要な書類(添付書類を含む)は、正副(2部)ご用意ください。

防災管理者を選任又は解任したとき

  • 防火・防災管理者選任(解任)届出書【別記様式第1号の2の2】
  • 防災管理者講習修了証の写し又は、必要な学識経験を有する証明書の写し

消防計画を作成又は変更したとき

防災管理者が変更となった場合、消防計画の内容変更の有無に関わらず、届出が必要です。

  • 消防計画作成(変更)届出書【別記様式第1号の2】
  • 防火・防災管理業務実施計画書【別紙1】
  • 防火対象物実態把握表【別紙2】
  • 防災に関わる消防計画の全文
  • 変更の場合は、変更箇所の消防計画

自衛消防組織を設置または変更したとき

  • 自衛消防組織設置(変更)届出書【別記様式第1号の2の2の3の3】
  • 自衛消防組織の内部組織の編成表
  • 自衛消防組織に備え付けられている資機材一覧表
  • 防火対象物自衛消防組織資格管理表(本部隊)

自衛消防業務講習のお問い合わせ先

一般財団法人 日本消防設備安全センター

電話番号 03-3591-7121

ファクス 03-3591-7130

この記事に関するお問い合わせ先

消防課 予防班
〒243-0301
神奈川県愛甲郡愛川町角田286-1
電話番号:046-285-3131
ファクス:046-285-4091
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