防火対象物定期点検報告制度について

防火対象物定期点検報告制度について

平成13年9月1日の東京都新宿区歌舞伎町のビル火災は小規模な複合ビルで発生したにもかかわらず、44名の尊い命を奪い、昭和57年に33名の犠牲者を出したホテルニュージャパンの火災を上回る大惨事となりました。

このような大惨事となった要因として、階段に避難障害となる物品が置かれていたこと、防火管理者が選任されておらず避難訓練も行われていなかったこと、消防用設備等の点検も行われていなかったことなどの消防法令違反があげられました。

このような状況を改善するため、防火管理が適正に行われるよう、防火対象物の関係者による日頃のチェック体制を確認し、「自分の建物は自分で守る」という防火管理に対する自主性を高めるため、一定の防火対象物の管理について権原を有する者は、防火対象物点検資格者に防火管理上必要な業務等について点検させ、その結果を消防機関に報告することが義務づけられたのが、防火対象物定期点検報告制度です。(消防法第8条の2の2)

この制度と消防用設備等点検報告制度は異なる制度であり、この制度の対象となる防火対象物では双方の点検及び報告が必要となります。

防火対象物定期点検が必要な防火対象物

防火管理者の選任が必要な特定防火対象物

(消防法施行令第4条2の2)のうち、次のいずれかに該当するものです。

  1. 地階または3階以上の階に特定用途(下表の用途)があり、階段が屋内1系統のみのもの
  2. 建物全体の収容人員が300人以上のもの
防火管理者の選任が必要な特定防火対象物
No 令別表第一用途区分 用途説明 建物全体の
収容人員
1 1項イ 劇場、映画館、演劇場または観覧場 30人以上
1 1項ロ 公会堂または集会場 30人以上
2 2項イ キャバレー、カフェー、ナイトクラブ等 30人以上
2 2項ロ 遊技場またはダンスホール 30人以上
2 2項ハ 性風俗営業店舗等 30人以上
3 3項イ 待合、料理店等 30人以上
3 3項ロ 飲食店 30人以上
4 4項 店舗、マーケット、展示場等 30人以上
5 5項イ 旅館、ホテル、宿泊所等 30人以上
6 6項イ 病院、診療所または助産所 30人以上
6 6項ロ 老人ホーム等 10人以上
6 6項ハ 老人デイサービスセンター、保育所等 30人以上
6 6項ニ 幼稚園または特別支援学校 30人以上
7 9項イ 公衆浴場のうち、蒸気浴場、熱気浴場等 30人以上
8 16項イ 複合用途防火対象物のうち、その一部が、1項から4項まで、5項イ、6項または9項イの用途に供されているもの 30人以上
9 16項の2 地下街 30人以上

防火対象物定期点検報告が必要な防火対象物のイメージ

地階又は3階以上の階に特定用途があり、階段が屋内1系統のみの場合

(イラスト)特定用途に供される部分
(イラスト)地階又は3階以上の階に特定用途があり、階段が屋内1系統のみの場合の建物

階段が2つある場合でも、間仕切り等により1つの階段しか利用できない場合

(イラスト)特定用途に供される部分
(イラスト)階段が2つある場合でも、間仕切り等により1つの階段しか利用できない場合の建物

特定防火対象物で建物全体の収容人員が300人以上のもの

(イラスト)特定防火対象物で建物全体の収容人員が300人以上のもの

防火対象物定期点検報告が必要のない防火対象物

階段が屋外に設けられている場合

(イラスト)特定用途に供される部分
(イラスト)階段が屋外に設けられている場合の建物

特定防火対象物で防火管理者が必要のない収容人員の場合

非特定防火対象物(特定用途が存在しない)の場合

階段が2つ以上設けられていて、2方向以上の避難ができる場合

防火対象物点検資格者

防火対象物点検資格者になるためには、登録講習期間が実施する「防火対象物点検資格者講習」を受講する必要があります。

防火対象物点検資格者講習を受講するための資格は以下のとおりです。

  1. 消防法17条の6に規定する消防設備士で、消防用設備等の工事、整備または点検について3年以上の実務の経験を有する者
  2. 消防法施行規則第31条の6第6項に規定する消防設備点検資格者で、消防用設備等の点検について3年以上の実務の経験を有する者
  3. 消防法第8条第1項に規定する防火管理者として選任された者で、3年以上その実務の経験を有する者
  4. 消防法施行令第3条1項第1号イに規定する甲種防火管理講習又は同項第2号イに規定する乙種防火管理講習の課程を修了した者で、防火管理上必要な業務について5年以上の実務の経験を有する者(前3に掲げる者を除く)
  5. 建築基準法第5条第1項に規定する建築基準適合判定資格者検定に合格した者で、建築主事または確認検査員として2年以上の実務の経験を有する者
  6. 建築基準法施行規則第4条の20第1項に規定する特殊建築物等調査資格者で、特殊建築物等の調査について5年以上の実務の経験を有する者
  7. 建築基準法施行規則第4条の20第3項に規定する建築設備検査資格者で、建築設備の検査について5年以上の実務の経験を有する者
  8. 建築士法第2条第2項に規定する1級建築士または同条第3項に規定する2級建築士で、建築物の設計若しくは工事監理または建築工事の指導監督について5年以上の実務の経験を有する者
  9. 建築士法施行規則第17条の18に規定する建築設備士で、5年以上その実務の経験を有する者
  10. 市町村の消防職員で、火災予防に関する業務について、1年以上の実務の経験を有する者
  11. 市町村の消防職員で、5年以上その実務の経験を有する者(前10に掲げる者を除く)
  12. 市町村の消防団員で、8年以上その実務の経験を有する者
  13. 建築基準法第2条第35号に規定する特定行政庁の職員で、建築行政に関する業務(防火に関するものに限る)について5年以上の実務の経験を有する者

防火対象物点検資格者講習

防火対象物点検資格者講習の日程等につきましては、一般財団法人日本消防設備安全センターへお問い合わせください。

問い合わせ

(一財)日本消防設備安全センター

電話番号 03-3591-7121

ファクス 03-3591-7130

ホームページ

防火基準点検済証

(イラスト)防火基準点検済証

防火対象物定期点検の結果、点検基準に適合している建物に表示できます。(消防法施行規則第4条の2の7)

防火・防災優良認定証の表示

(イラスト)防火防災優良認定証

防火対象物点検報告の特例及び防災管理点検報告の特例の認定を受けた場合には、防火・防災優良認定証を表示することができます。(消防法施行規則第51条の19)

平成24年6月1日から適用

項目

防火対象物定期点検の結果を報告するとき

添付書類等

該当の場合

項目

防火対象物定期点検の特例を受けたいとき

添付書類等

新規の場合
  1. 防火対象物定期点検結果報告書の写し
  2. 消防用設備等点検結果報告書の写し
  3. 消防訓練等実施結果報告書の写し
  4. 防火・防災管理者選任(解任)届出書の写し
  5. 消防計画作成(変更)届出書の写し
  6. 法人の履歴事項全部証明書の写し
継続の場合

上記1以外すべて

項目

防火・防災優良認定証の交付を受けたいとき

添付書類等

  • 防火対象物特例認定通知書の写し
  • 防災管理特例認定通知書の写し

この記事に関するお問い合わせ先

消防課 予防班
〒243-0301
神奈川県愛甲郡愛川町角田286-1
電話番号:046-285-3131
ファクス:046-285-4091
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