平成24年度施政方針
本日ここに、平成24年度の予算案並びに諸議案のご審議をお願いするにあたり、 行政運営についての所信の一端と、施策の概要について申し述べさせていただきた いと存じます。
昨年3月に発生したあの東日本大震災から、間もなく1年を迎えようとしており ます。
被災地に大きな爪あとを残し、多くの尊い命を奪った地震、そして津波。大切な 故郷を奪った福島第一原子力発電所の事故。我々に自然の脅威と科学技術に対する 過信が招いた災害の凄まじさや痛ましさを思い知らされたところであります。
一方、今回の震災を契機として、物質的な豊かさの中で、我々が希薄となってい た支え合いの精神や人と人との絆の大切さを再認識したのも事実であります。
被災地では、復興に向けた取り組みが多くの人たちの手によって進められており ます。本町におきましても、義援金や支援物資の送達をはじめ、被災地への職員派 遣や被災者の受け入れ、さらには被災地の特産品販売など、さまざまな形で復興支 援に取り組んできたところであります。
被災地の皆様には、辛抱と頑張りが長期に及ぶことになろうかと思います。悲嘆 と艱難の中から平穏な暮らしに復帰できる日が一日も早く来てほしいと心から祈っ ているところであります。
こうした状況の中、昨年は、議員各位をはじめ町民皆様のご理解とご協力により、 「第5次総合計画」をスタートさせることができ、各種の施策・事業につきまして は、イベント自粛などがあったものの、順調に推し進めることができましたこと、 改めて衷心より感謝を申し上げる次第であります。
さて、我が国の経済動向は、リーマンショック後の経済危機を脱し、景気は緩や かに持ち直してきているものの、欧州をはじめとする海外経済の減速懸念、長引く 円高とデフレ基調、電力供給の制約など、多くのリスク要因が介在し、依然として 先行きは不透明な状況が続いております。
国の新年度一般会計予算案を見ましても、前年度比2.2%減の90兆3千億円 余りで、6年ぶりの減少となっておりますが、3兆7千億円余の東日本大震災復興 特別会計を創設し、実質的には前年度を上回る過去最大の予算規模となっておりま す。なお、新規国債発行額は約44兆2千億円で、かろうじて中期財政フレームの 範囲内となりましたが、国債への依存度は49%と当初予算ベースで過去最大とな っております。
神奈川県につきましては、黒岩知事の就任後初めての通年予算編成となりました が、厳しい財政状況にありましても、喫緊の課題に対応するため、地震防災対策を はじめ、エネルギー政策や医療体制の充実などに重点配分した予算となっておりま す。特に、「かながわスマートエネルギー構想」を推進するため、半原の旧県警グラ ウンド跡地を活用し、モデル事業として、メガソーラー施設の整備費総額9億5千 万円余が予算計上され、本町の新たな観光資源として期待しているところであります。
本町におきましては、「第5次総合計画」に掲げるまちづくりの6つの基本目標の 実現に向けた施策を展開するため、より一層の行政改革の推進と財政の健全化に取 り組み、「協働のまち愛川」の実現に向けて、なお一層の努力を傾注してまいる所存 であります。
そこで、新年度は、現下の厳しい財政状況の中ではありますが、町民生活に密着 した事業を優先して可能な限りの予算配分に努め、「健康福祉、環境と防災に重点 配分した予算」を編成したところであります。
次に、予算編成の総括的な内容について申し上げたいと存じます。 まず歳入でありますが、財源の根幹をなします町税収入は、地価の下落や評価替 えなどに伴う固定資産税の減収が見込まれるものの、個人町民税では年少扶養控除 の廃止により約1億9百万円の増、法人町民税が一部企業の業績回復などから約3 億8千5百万円の増となり、町税全体では4年ぶりにプラスに転じ、約2億1千7 百万円増額の予算計上となりましたが、リーマンショック前の町税収入にはまだ程 遠く、安定的な歳入構造とは言い難い状況となっております。
このため、国の平成23年度補正予算への対応も含め、国県補助金の積極的な確 保に努めるとともに、「総合計画実施計画」に定める3年間の財政計画を基本として、 財政の健全性の維持を念頭に置きながら、基金と地方債の適正な活用に努めたとこ ろであります。
一方、歳出では、防災対策をはじめ、教育や子育て環境の整備、保健・福祉の充 実、環境対策など、さまざまな行政ニーズへの対応が急務となる中で、扶助費や医 療・介護などの社会保障関係経費の増加に加え、公共施設の老朽化による維持補修 経費の増大も見込まれ、財政運営は年々厳しさを増している状況にあります。
こうしたことから、徹底した事務事業の見直しや経常的経費の削減を行うととも に、事業の緊急性や優先度などを総合的に精査し、限られた財源の効率的かつ重点 的な配分に努めたものであります。
続いて、新年度予算の主要事業について、総合計画の施策の大綱に基づき、6本 の柱に沿って、ご説明を申し上げます。
第1は、「自然と調和した快適なまちづくり」であります。
はじめに、道路整備についてであります。町の主要幹線道路につきましては、幣 山下平線の第2期分のうち、未整備区間となっております丸山耕地内の道路改良工 事や歩道整備工事を引き続き行うとともに、新たに角田大橋から国道412号まで の平山下平線の測量調査等を実施してまいります。また、歩行者の安全確保とバリアフリー化の推進を図るため、第1号公園と第2 号公園を結ぶ中津228号線をはじめ、8か所の歩道整備や舗装の打換えなどに取 り組んでまいります。
生活関連の道路につきましては、拡幅改良をはじめ、舗装の打換えや側溝整備など26か所、道路事業全体では36か所の整備を実施するとともに、8か所の測量 調査と道路用地の取得に取り組み、地域の生活基盤整備を進めてまいります。
国・県道事業につきましては、地域住民の悲願でありました馬渡橋架替えに向け た橋りょうの設計に着手されますことから、早期に着工できますよう県と連携を図 りながら取り組んでまいります。
また、田代平山地内における国道交差点改良と歩道整備の促進や、県道各路線の 主要交差点の改良などにつきましても、引き続き関係機関へ要望してまいります。
さらに、本町が要望を続けてまいりました「さがみ縦貫道路インターチェンジ」 の名称についてでありますが、先般、中日本高速道路株式会社から名称を「相模原・ 愛川インターチェンジ」とする素案が本町に示され、名称に「愛川」の2文字が入 る見通しとなったものであります。
都市計画の分野では、都市計画の基礎資料となる都市計画基礎調査や都市計画基 本図の作成を行ってまいります。
公園緑地事業でありますが、中津工業団地第1号公園トリム広場の再整備を行い、 大型の複合コンビネーション遊具を設置するほか、一本松公園の老朽化した遊具を 更新し、安全で快適な公園づくりを進めてまいります。
町営住宅につきましては、諏訪住宅のガス管改修工事や、老朽化した木造住宅の 解体工事などを行い、施設の適切な維持管理に努めてまいります。
次に、生活交通対策でありますが、昨年再編を行いました町内循環バスの安全な 運行と利便性の向上に努めるとともに、バス停留所の上屋整備を促進してまいります。
小田急多摩線の延伸につきましては、近隣市町村と連携し、神奈川県市町村振興 協会の助成金を活用しながら、上溝から厚木愛甲地区への延伸に向けた調査・研究 に取り組んでまいります。
愛川聖苑につきましては、供用開始後14年が経過しますことから、火葬炉の大 規模修繕を行うなど、施設の円滑な運営と維持管理に努めてまいります。
第2は、「安全で安心して暮らせるまちづくり」であります。
はじめに、環境対策でありますが、自然エネルギーの有効利用を積極的に促進す るため、住宅用太陽光発電設備設置に対する助成を継続するとともに、塵芥収集車 の更新では、環境にやさしいハイブリッド車を導入してまいります。
また、新たに、役場新庁舎の事務室や会議室などに省電力・長寿命のLED照明 を導入し、省エネルギー化を推進してまいります。
環境保全・美化対策では、本年4月から「みんなで守る環境美化のまち条例」が 施行となるため、条例に基づく清潔で美しいまちづくりの取り組みを進めるととも に、「環境基本計画」の計画期間が平成25年度で満了することに伴い、新たな計画 の策定に着手してまいります。
また、環境問題への意識啓発の新たな試みとして、小学生を対象に、太陽光発電 をはじめとするクリーンエネルギーの活用などについて、体験を通して学べる「環 境学習会」を開催してまいります。
平成25年度からスタートするごみ処理の広域化でありますが、本年10月から ごみの分別・収集体制の見直しを行い、プラスチック製容器包装、廃食用油など、 再資源化品目の拡大を図り、より一層のごみ量の削減と資源化率の向上に取り組ん でまいります。
また、こうしたごみの分別・収集体制の見直しについて、町民皆様に周知し、ご みの広域処理への円滑な移行を図るため、分別ガイドブックなどを全戸配布してま いります。
次に、防災・消防対策であります。防災対策では、大規模地震や集中豪雨による 土砂災害対策として、自主防災組織に対し資機材整備の助成を行うほか、避難所運 営マニュアルに基づき、新たに、広域避難場所の運営訓練を実施するなど、防災意 識、防災行動力の向上を図ってまいります。
また、町民への情報提供を強化するため、新たに、衛星携帯電話や防災行政無線 音声自動応答サービスを導入するほか、広域避難場所に地上デジタル放送受信装置 の設置をはじめ、発電機、ろ水機などの防災資機材や備蓄食糧等の計画的な整備充 実に努めてまいります。
台風やゲリラ的な集中豪雨による浸水や土砂災害の未然防止対策では、半原地内 の野尻排水区及び宮沢排水区の雨水対策事業を進めるとともに、県営事業で施工す る田代戸倉地区及び中津大塚下地区の急傾斜地崩壊対策事業や、北下谷地区農業用 水路の防災対策事業を促進するほか、塩川滝の落石防護ネット設置工事を行ってま いります。
また、道路の災害予防対策では、若宮耕地下流の中津3217号線など2か所の 法面保護を施工するとともに、重要な橋りょうの長寿命化修繕計画の策定に引き続 き取り組んでまいります。
消防関係でありますが、消防救急デジタル無線共通波整備事業について、効率的 な事務執行を図るため、国の第3次補正予算による補助金を活用し、平成23年度 3月補正予算に計上するとともに、全額繰越明許費を設定したものであります。
また、消防救急デジタル無線活動波の整備につきましては、基本設計を行ってま いります。
さらに、化学消防ポンプ自動車でありますが、契約から納車までに一定期間を要 しますことから、債務負担行為を設定し、平成25年度中の早期配備を目指してま いります。
消防団関係につきましては、災害時における消防団の情報伝達手段の一つとなる 消防団用デジタルトランシーバの導入について、国の第3次補正予算による補助金 を活用し、平成23年度3月補正予算に計上するとともに、全額繰越明許費を設定 したものであります。また、活動の安全性向上を図るため、編上ゴム長靴を新規に 購入するなど、消防団装備の充実を図ってまいります。
救急高度化対策では、新たに、救命士1名を養成するとともに、気管挿管等の研 修へ派遣し、救急処置技術の向上を図るほか、ドクターヘリ運航事業による高度な 救急体制の確保にも努めてまいります。
また、応急手当普及事業としては、公共施設に設置している自動体外式除細動器 (AED)を新機種に一斉更新し、1台を貸出用として配備するほか、新たに、乳 幼児・小児用の心肺蘇生訓練機材を購入し、普通救命講習会を開催してまいります。
次に、防犯対策であります。本年4月から「暴力団排除条例」を施行することに 伴い、県下自治体や防犯団体などが一体となって取り組むことにより、犯罪の未然 防止と防犯意識の普及啓発を図ってまいります。
また、町の主要施設や通学路などの巡回パトロールをはじめ、不審者情報メール の配信や新入学児童への防犯ブザーの配布、インバーター式省エネ防犯灯の増設な ど、「安全・安心のまちづくり」に向けた取り組みを推進してまいります。
交通安全対策につきましては、交通安全キャンペーンや新たに大人の自転車交通 安全教室を開催するとともに、小学校周辺通学路のカラー舗装、自発光式交差点鋲 の交換、カ−ブミラ−の設置など、交通安全施設の整備を進めてまいります。
次に、放射能対策であります。保育園や小中学校給食で提供される食材の安全確 保を図るため、国が定める基準に基づき、食材の放射性物質濃度検査を実施してま いります。
また、平成23年度から実施しております小中学校の校庭、保育園・幼稚園の園 庭や公園などの空間放射線量の測定及び町営水道施設の放射性物質濃度検査につき ましても継続実施し、情報の提供にも努めてまいります。
第3は、「健康でゆとりとふれあいのまちづくり」であります。
はじめに、健康づくり推進事業でありますが、健康づくりの普及啓発のため、「あ いかわ健康の日」の開催や、地域に根ざした活動として「地域巡回健康相談」を継 続してまいります。
母子保健事業では、乳幼児健康診査・妊婦健康診査などの各種健診や、戸別訪問 による子育ての相談・情報提供などを行う「こんにちは赤ちゃん事業」、さらには医 療保険が適用されない高額な不妊治療に対する助成を継続するほか、新たに、妊婦 の健康保持と胎児の健やかな発育を促すため、妊婦歯科健診を公費負担で実施して まいります。
生活習慣病検診事業につきましては、疾病の早期発見・早期治療のため、がん検 診をはじめ、肝炎ウイルス検査や成人歯科健診を実施してまいります。
予防接種・感染症予防対策では、子宮頸がん予防ワクチン・ヒブワクチン・小児 用肺炎球菌ワクチンの接種事業を全額公費負担で継続実施するほか、引き続き、乳 幼児等の各種予防接種や高齢者インフルエンザの予防接種を実施してまいります。
地域医療対策につきましては、引き続き、休日及び夜間における救急診療体制の 確保に努めるほか、愛川北部病院と町内医療機関との連携を図るとともに、医療機 関の健全経営に対する支援を行い、地域医療の充実に取り組んでまいります。
また、子どもからお年寄りまでの新たな健康づくりの拠点となる新保健センター の建設につきましては、平成24年度から2か年の継続事業で建設工事に着手して まいります。
次に、地域福祉の推進でありますが、平成24年度を初年度とする「第2次地域 福祉計画・地域福祉活動計画」に基づく事業の円滑な推進に努めるとともに、引き 続き、「地域自殺対策緊急強化事業補助金」を活用した「心の健康講座」の開催や精 神面でのサポート人材の育成、周知啓発などに取り組んでまいります。
障害者福祉では、「障害者福祉計画」に基づき、障害をお持ちの方々への各種サー ビスの提供に努めるほか、障害者自立支援法の改正に伴い、市町村に移管される入 所中の重症心身障害者に対し、療養介護医療費を給付してまいります。
また、児童福祉法の改正による権限移譲に対応するため、新たに、障害児相談支 援事業や、障害者の日中活動を支援する地域活動支援センター事業を実施してまい ります。
障害者生活援護では、在宅障害者福祉手当の支給をはじめ、重度・中度障害者医 療費の助成など、各種援護サービスを引き続き実施してまいります。特に、重度障 害者医療費の助成につきましては、対象者の経済的負担に配慮して、県補助金の対 象外となります医療費を町が負担し、一部負担金や所得制限を設けず実施してまい ります。なお、精神障害者への医療費助成につきましては、今後の県の動向などを 注視しながら、平成25年度中の導入に向けて検討してまいります。
高齢者福祉でありますが、高齢者バス割引乗車券「かなちゃん手形」購入費の助 成をはじめ、ミニデイサービス、給食サービス、寿大学講座など、生きがい対策事 業を実施するほか、地域住民が中心となって高齢者を支える「高齢者サロン」の活 動支援や、介護予防事業を進めてまいります。
次に、子育て支援の推進でありますが、「次世代育成支援行動計画」に基づき、子 育て支援センター、移動子育てサロン、ファミリーサポートセンター、一時保育、 放課後児童クラブなどの適正な運営に努め、子育て支援と児童の健全育成を図って まいります。
また、次世代の社会を担う子どもの健全育成と子育て世帯の経済的負担軽減のた め、中学校修了までの子どもを対象に「子どものための手当」を支給するとともに、 第2子以降のお子さんを出産された世帯を対象とした「子育て支援金」を支給して まいります。
なお、「子どものための手当」は本年6月分から所得制限が設けられますが、所得 制限を超えた世帯にも子ども一人あたり一律5千円を支給してまいります。
このほか、「おむつ支給事業」や、民間賃貸住宅にお住まいで第3子以降のお子さ んを養育する世帯への家賃助成事業、さらには私設保育施設入所児助成事業など、 各種の子育て支援事業を実施してまいります。
ひとり親家庭等医療費や小児医療費の助成事業では、引き続き、県補助金の対象 外となります医療費を町が負担し、一部負担金を設けず実施してまいります。
保育所の施設整備では、平成23度に高峰保育園の屋上防水・外壁塗装工事を実 施しましたが、引き続き、保育室、遊戯室等の内装改修工事を行い、良好な保育環 境の維持に努めてまいります。
第4は、「豊かな人間性を育む文化のまちづくり」であります。
はじめに、学校教育でありますが、新たな取り組みとしまして、神奈川県では 平成24年度から公立高等学校の入試制度が変わることから、入学試験への適応力 の向上を図るため、中学校1・2年生を対象に一斉学力検査を実施するほか、中学 校の道徳教育では、愛川中原中学校が県の教育推進研究校の指定を受け、「いのち」 をテーマとした講演会などを開催してまいります。
小中学校への各種のスタッフ派遣事業では、引き続き、学習活動サポーターをは じめ、介助員、特別支援教育支援員、図書館指導員、外国人英語指導助手などを派 遣するとともに、中学校部活動指導者派遣事業につきましては、県の補助制度が廃 止となりますが、町が費用を全額負担し事業を継続してまいります。
また、児童・生徒や保護者の悩み、問題に対応するため、学校教育相談員や家庭 訪問相談員、スクールカウンセラー、支援教育アドバイザーを派遣するほか、相談 指導教室の運営など、各種の教育相談事業に取り組んでまいります。
さらに、町内事業所等の協力を得ながら、引き続き、中学校2年生の職場体験事 業を実施し、キャリア教育を推進してまいります。
学校施設整備事業では、田代小学校防球ネットかさ上げ工事、愛川東中学校及び 愛川中原中学校FFファンヒーター交換工事、全中学校体育館バスケットボールコ ートライン改修工事のほか、武道の必修化に伴い、愛川中原中学校の柔道用畳を更 新するなど、各小中学校の施設整備を実施し、教育環境の充実を図ってまいります。 なお、菅原小学校校舎及び屋内運動場の耐震補強工事につきましては、国の第3 次補正予算による補助金を活用し、平成23年度3月補正予算に計上するとともに、 全額繰越明許費を設定したものであります。
半原小学校敷地内の旧郷土資料館につきましては、学識経験者や住民の代表の 方々などのご意見をお伺いするため、新たに検討委員会を設置してまいります。 学校給食では、新たに1校を加え、小学校5校の給食調理業務を民間に委託する とともに、中津第二小学校給食室の換気用フード設置工事を行い、調理環境の改善 を図ってまいります。
高等学校等の就学助成につきましては、引き続き、生徒のバス通学や自転車通学 に要する費用の一部助成を行うほか、準要保護世帯を対象に高等学校の入学費用の 一部を助成し、保護者の経済的負担の軽減を図ってまいります。
幼児教育では、引き続き、私立幼稚園就園奨励費補助金の交付や教材費への助成 を行うとともに、特別支援教育への助成を実施してまいります。
次に、社会教育でありますが、「第2次生涯学習推進プラン」と「第2次男女共同 参画基本計画」に基づき、地域に根ざした施策・事業の着実な推進を図ってまいり ます。
青少年教育では、引き続き、ジュニアリーダー研修会や野外活動指導者研修会を 開催し、青少年の健全育成に携わる各種団体の活動を支援するとともに、本年度は 「子ども議会」を開催してまいります。 公民館事業では、住民ニーズに対応した各種の教室・講座を開催するとともに、 新たに、役場本庁舎1階に「図書返却ポスト」を設置し、図書館利用者の利便を図 ってまいります。
文化の振興でありますが、町の歴史・自然に関する情報発信の拠点施設でありま す郷土資料館により多くの方々に来館していただけるよう、常設展示の充実や企画 展示室を活用した事業を開催するとともに、県立あいかわ公園及び工芸工房村と連 携した事業展開を図ってまいります。
次に、社会体育でありますが、有料公園施設・体育施設につきましては、安全で 快適に利用していただけるよう、田代運動公園ソフトボール場防球ネット増設工事 や第1号公園体育館トレーニングマシーンの更新など、施設の良好な維持管理に努 めるほか、厚木市、愛川町、清川村が共同で行うスポーツ施設の相互利用に合わせ た利用時間帯や使用料の見直しを行ってまいります。また、町民の健康づくりとス ポーツの振興・普及のため、ニュースポーツ教室や町民みなふれあい体育大会を開 催してまいります。
第5は、「多彩な産業の活力あるまちづくり」であります。
はじめに、農業振興対策でありますが、認定農業者への融資や利子補給をはじめ、 新規就農者への助成制度や環境保全型農業を推進する農業者への補助制度など、各 種の支援を継続し、都市近郊農業の振興と地産地消の推進に努めてまいります。 有害鳥獣による農作物への被害対策でありますが、獣害防止電気柵を田代平山地 区と角田幣山地区に増設するとともに、電波発信機を利用したサルの移動監視を行 うなど、引き続き、効果的な取り組みを進めてまいります。
畜産振興・畜産環境対策につきましては、畜産環境保全対策事業の推進により、 畜産臭気の周辺住環境への影響を極力抑止しながら、地域と調和のとれた畜産経営 の振興が図られるよう努めてまいります。
農業基盤の整備につきましては、引き続き、丸山農道の整備や尾山中央水路の改 修工事を実施してまいります。
林業振興では、地域林業形成促進事業や水源の森林もりづくり事業の推進のほか、水 源環境保全再生市町村交付金を活用した地域水源林の整備を計画的に進めてまいり ます。
次に、商工業の振興でありますが、商工団体関係では、愛甲商工会の活動事業や 新規ビジネス創造支援事業、事業所フェアの開催、商店会が管理する街路灯の維持 管理費などに対して助成をしてまいります。
中小企業関係では、融資制度や利子補給などのほか、地場産業の繊維産業につき ましては、繊維産業設備等改善資金の融資や愛川繊維会館の管理運営に助成してま いります。
また、企業誘致につきましては、内陸工業団地内の大手企業の移転跡地に、3社 の立地が決まりましたことから、町企業誘致条例の適用に向けた具体的な調整を進 めてまいります。
観光の振興につきましては、「あいかわ公園つつじまつり」、「半原糸の里文化 祭」など各種イベントを開催するとともに、観光資源を活用したツーリズム事業や フィルム・コミッション事業を推進してまいります。
また、新たに、町の観光キャラクター「あいちゃん」の着ぐるみや、ぬいぐるみ などのキャラクターグッズを作製するほか、相模川沿いの県央6市町村で構成する 「県央相模川サミット」及び神奈川県と共同で観光ガイドマップを作製し、観光P Rと観光客誘致に意を注いでまいります。
勤労者の福祉対策では、労働教育講座や就労相談会の開催、勤労者生活資金の融 資、信用保証料の助成や雇用奨励金制度の利用促進など、勤労者の生活支援と雇用 の促進に努めてまいります。
第6は、「確かな未来を拓く協働のまちづくり」であります。
はじめに、住民参加の推進についてであります。「第5次総合計画」の将来都市像 に掲げました「協働のまちづくり」を推進するため、町民公益活動団体が身近な公 園や道路などの美化活動を町と協働で進める「まち美化アダプト制度モデル事業」 を新たに導入するとともに、「住民提案型協働事業」の制度確立を目指してまいります。
広聴事業では、まちづくりの主役である町民皆様の声を直接お聴きするため、「町 長と話し合うつどい」や「若者との懇談会」を開催し、幅広く住民ニーズの把握に 努めてまいります。
また、広報事業では、町民皆さんが必要な情報を迅速・的確に入手できるよう、 町ホームページのレンタルサーバーを更新し、内容を充実してまいります。 次に、行政改革の推進でありますが、平成24年度から平成26年度までを計画 期間とする、新たな「行政改革大綱第5次改訂版」に掲げられた改善項目を計画的 かつ着実に推進するとともに、外部評価をはじめとする行政評価制度の充実に努め てまいります。
情報化の推進につきましては、新たに、人事給与システム、新地方公会計システ ムを町村情報共同システムで運用するほか、地方税電子申告受付サービスの対象税 目を拡大するなど、共同化による情報システムの効率的な運用を図ってまいります。 また、外国籍住民を住民基本台帳制度の対象に加える、改正住民基本台帳法の施 行が本年7月に予定されていることから、新制度への円滑な移行に努めてまいります。
続いて、特別会計についてであります。
はじめに、国民健康保険特別会計でありますが、医療技術の高度化や急速な高齢 化の進展、小児医療対策の充実などに伴う医療費の増加は避けられず、財政運営は 年々厳しさを増している状況となっております。このため、一般会計から7億5千 万円余の繰り入れを行うなど、加入者の負担軽減に努めたところであります。
一方、国民健康保険税の収納率向上対策につきましては、納税の公平性を保つ観 点から、差押債権取立訴訟を含め、積極的な滞納処分を行うとともに、引き続き、 国保税徴収専門指導員を配置するなど、収納率の向上に最大限の努力をしてまいり ます。
後期高齢者医療特別会計でありますが、市町村の事務であります保険料の徴収事 務や申請受付等の窓口業務のほか、わかりやすい制度の周知を行い、円滑な運営に 努めてまいります。
介護保険特別会計でありますが、平成24年度からスタートする「第5期介護保 険事業計画」の最終年度である平成26年度には、高齢化率が25%を超えるもの と予測しておりますことから、介護予防事業の更なる推進や地域包括支援センター との連携を強化するなど、支援・相談体制の充実を図ってまいります。
また、高齢化の進行により認定者数が増加しておりますことから、やむなく保険 料の引き上げをさせていただくこととなりましたが、負担能力に応じた保険料の設 定をするとともに、基金の取り崩しなどにより保険料の上昇を極力抑制したところ であります。
次に、下水道事業特別会計でありますが、雨水事業では、半原・原臼地区の野尻 排水区の整備を進めるとともに、宮沢排水区の実施設計に着手し、浸水被害の防止 に取り組んでまいります。
汚水事業では、老朽化した人孔蓋の改築のほか、今後老朽化が懸念される管渠の 延命化を図るため、「公共下水道長寿命化計画」の策定に取り組むとともに、接続率 の向上に努めてまいります。こうした事業の推進にあたり、一般会計から3億2千 万円余の繰り入れと、資本費平準化債の活用を図ってまいります。
最後に、水道事業会計でありますが、耐塩素性病原微生物に対応するため、新規 事業として戸倉浄水場紫外線処理設備工事を実施するとともに、水道施設防災対策 事業や配水管整備改良事業を実施し、安全で良質な水の安定供給に努めてまいります。
以上の主要施策を中心に、平成24年度予算を編成いたしました。その規模は、
| 一般会計 | 120億800万円 |
|---|---|
| 国民健康保険特別会計 | 56億8,400万円 |
| 後期高齢者医療特別会計 | 3億400万円 |
| 介護保険特別会計 | 21億8,200万円 |
| 下水道事業特別会計 | 12億900万円 |
| 水道事業会計 | 11億2,000万円 |
以上6つの会計の総額では、225億7百万円となり、前年度と比較しまして 5.3%の増となっております。
以上、所信のあらましを申し述べさせていただきました。
変化の激しい時代の中にあって、先行きを見通すことは極めて困難であり、行政 運営においても、すべての施策を実現することが大変難しい時代であります。こう した中、本町では、町民皆様と町議会からの温かいご支援とご協力をいただきながら、住民と行政とのパートナーシップによる町づくりが、一歩一歩着実に進んでき ているものと考えております。
今後も町政の主役である町民の皆様と力を合わせて、安全で安心して暮らすこと ができ、誇りと愛着の持てるまちづくりのため、全力を尽くしてまいる所存であり ます。
引き続き、議員並びに町民皆様の更なるご理解とご協力を賜りますようお願い申 し上げ、平成24年度の施政方針といたします。


